試して理解 LINUXのしくみ を読んだよ。

@satoru_takeuchiさんという方が書いた本。ダジャレをつぶやくアカウントだと思っていたのだが、Linux系のすごい人らしい。

で、せっかくなので書評というか、感想ですね。

Linuxへの深い理解に基づく解説と、丁寧な実験結果を用いて、OSの基礎を学べる本。OSを学ぶにあたっては、これまで「簡易OSをつかったテキスト」か、「特定のOSの詳しい解説*1」の2通りだったのだけれど、この本は新しいアプローチ。

この本がとても向いてるだろうな、という人は、「OS(or CS)を体系的に学んだことがなくて、Linuxを使ってきた」という人だろうな。僕は対象読者から若干外れているかもしれないけれど、Linuxなんにも知らないので、ふむふむと勉強になる点が多々あった。

メモリ管理、記憶階層の章はとてもよかった。秀逸です。(図05-47ェ…)

ファイルシステムとストレージデバイスは仕事柄僕は評価する立場にないけれど、ファイルシステムはちょっとアドミン側に寄りすぎたかな?すくなくともファイルシステムの3つめにクオータはいらないと思うし、基本的なinodeの構造とか、ハードリンクとか、ファイル名はディレクトリが持つことが多い、とか、そのへんはあっても良かったかも。

もう少し詳しくLinuxを知りたいな、と思わせたら多分この本の狙いとしては成功で、そう考えると大成功かなと思いました。

*1:ちなみに、Solarisインターナルはとても良い。今となっては過去の遺産になってしまったのでこれから読む人はいないだろうけど。