オープンソースとの関わり

Full Moon? - みょらみょらPython日記で、Isilon IQについて「FreeBSDベースのサーバが、OneFSというデバイスをマウントしてその上のデータをCIFS/NFSを提供している。ファイルサーバとしての役割。」と書いたように、OneFSはFreeBSDの上に構築されています。

で、現行のバージョンで言えば、FreeBSD 7のOS上にOneFSが構築されて、FreeBSDNFSサーバと、Sambaでファイル共有サービスを提供しています。もちろん、NFS も CIFS も、そのままではスケールアウトストレージになりませんから、主にロック部分に大きく手を加えられています。ちなみに、分散ストレージ/スケールアウトストレージ/クラスタストレージと銘打って、各ノードがただの Samba や nfsd を動かしている、という製品、未だに多いですね。こっちで書いたファイルのロックがこっちでかかってない、なんて、ざらです。そこをちゃんとやらないと、それはただの分散ファイルシステムであって、分散ストレージではありません。cpするだけのベンチマークではなかなか測れない部分です。

当初、ある意味勝手にOpen Sourceのコードを持ってきて、独自に書き換えて使っていましたが、本家のバージョンアップによる新機能のメリットを享受するのが難しく、毎回アップグレードには大きな手間がかかっていました。一方で、IsilonはFreeBSDベース、SambaベースのEnterprise製品としてそれなりに大きくなり、なおかつFreeBSDの開発にスポンサーしたり*1、Bug Fixを本家に還元したりしているうちに徐々に認知度が高まったことから、積極的に本家に関わることによるメリットを受ける方向性に進んできました。

  • CIFS開発者がSambaのCommitterに。IsilonによるSambaへの変更がOpen Sourceに*2 (これはSambaのGPLへの変更の影響が大きいですが)
  • NFS開発者がFreeBSDのCommitterに。*3
  • その他、色々進行中

企業のオープンソースへの関わりについては個々人いろいろな意見があると思いますので、弊社の取り組みを「すごいでしょう」という気はまったくありません。ただ、お互いにお互いの得を求めて協力する、といういわゆるWin-Winの関係がオープンソースとストレージシステムベンダとの間で構築できているのはよい状態だと個人的に思ってます。